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■ 88)戒名(授与証・授与牒)当山の書式。2025. 3. 5

これが当山からの戒名授与(牒)です。
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真言宗の場合は、戒名の前に「梵字(ぼんじ)の(ア)」と呼ばれる文字が付くことが一般的です。梵字とは、古代のインドなどで使われていたサンスクリット語の文字になります。
御経などは、漢字で書かれているものをイメージされる方が非常に多いように感じます。
実際は、古代インド周辺で生まれたブッダから始まった宗教が、仏教になります。ですからその教えである御経なども、もともとは、その当時インドで使われていたサンスクリット語で書かれているものになります。
現在の日本に伝わった仏教文化は、中国や朝鮮半島を経由して入ってきているわけですから、一度中国語の漢字に翻訳された教えが伝来しています。


(牒の原義) 文書 ・公的な 物事 を書き記した 木 (竹)の札・薄い木。 木簡 、簡札 (律令制 の定義:古語)公文書の 様式 の一つ。 元々は 官人 (役人)が私的な ことがら 【事柄】を、上申し・問い合わせるもの。 致仕 、 病欠 の 届出 ・ 申請 の様式ともされた。 後に、 令外官 りょうげのかんが増えると、 役所 間の文書のやり取りにもよく使われた。
古来からのふだ / かきつけ / 文字を書き記す、木の薄いふだなどの意味を持つ漢字です。

戒名には9字戒名(○○院○○○□居士(大姉)と
○○○○居士(大姉)の6字戒名と、○○信士(信女)4字戒名があります。

居士(男性戒名))大姉(女性戒名)
幼児(7歳〜15才)の戒名は孩児となり、その歳までの幼い戒名は[孩児・がいじ]を付けます。
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《「孩」は、いとけないの意》「孩」の字は普段あまり使わないので調べました。

1 おさなご。

2 幼児の戒名につけられる。

緑児(嬰児)の由来は大宝令(たいほうりょう)で三歳以下の子供を「緑」と記述したことによります。もともと「みどり」は色じゃなく新芽や若葉のことで、生命力が溢れている様を表します。
そのため「みどりのこ」で「緑児」が使われたとのことです。緑は後から色の名前として使われるようになったんだとか。
緑児、嬰児は、どちらも「みどりご」と読みます(または嬰児をえいじと読む)。
もともとは緑児(みどりこ)が使われていましたが、読み方が「みどりご」と濁り、その後嬰児(みどりご、えいじ)が使われるようになりました。
緑児、嬰児の読み方
緑児|みどりこ、みどりご、りょくじ
嬰児|えいじ、みどりご
嬰児とは生後三年ぐらいまでの子供
嬰児(緑児)は生まれたばかりの赤ちゃんを意味することが多いんですが、もともとは幼子つまり乳幼児のことです。
三省堂の大辞林には「生まれて間もない子供」「生後三年ぐらいまでの子供」と表記があります。そのため乳幼児を表す言葉です。赤ちゃんよりも年齢幅が少し広めです。
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他には、
@院殿居士、院殿大姉を付けるのがありますがこれらの戒名を未だ付けたことは有りません。

A院殿大居士、院殿清大姉等がありますが、これも付けたとこがありません。というよりは、希望されてもお付けすることは有りません。

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生前に戒名を付けることを(逆修戒名)と言います。
ご存命のときに 「 戒名 」 をお付けすることを生前戒名(逆修戒名)と言います。
 「 逆 」  という字は、 「 さからう 」  というようなイメージですが、「 まえもって 」  という意味もあります。まえもって仏事を修して死後の幸福を祈る、というような意味で、 「 逆修 」 というようにいいます。この場合、戒名の2文字に朱で書きます。
(信士、信女や居士、大姉のすぐ上の道号の下2文字は朱で書きます。)

生前にお戒名を授与することを予め修する、という意味で預修(逆修=生前)と言います。
死後に戒名を授与することが一般的になった現代では特別なことのように思いがちですが、かつては生前に戒名を寺の住職や有縁の僧侶によって授与していただくことは決して珍しいことではありませんでした。
これは、特に死と隣り合わせでいた時代、人々の生活に中には常に死を意識していたからです。
貧困や病、戦や戦争、また、いつ、事故や事件に巻き込まれるかもしれない、そんな不安から、生きている者が死後に安らかなみ仏の世界へと移り行くために仏戒を受け、御仏のご加護が常にありますように、といった心に安楽を得られるための大切な儀式、これが、受戒です。
そして、受戒を経て授かるお名前が戒名なのです。
ですから、必ずしも死後に付けられる名前ではないのです。
忙しない現代においてお寺は社会とは切り離された世界のように感じるかもしれません。しかし、我々に必ず訪れる死に対して心穏やかに受容するために生前に受戒式を行い、ご本尊様とのご縁を深く結ぶことはとても大切なことなのです。
亡くなった後でお寺から名前を授かる場合には自分で戒名を選ぶ事はできない一方、存命中であれば、自分でつけたい文字をある程度考えることができるのがメリットの一つです。なお、お寺の住職の方は必須であり、全て自分で勝手に決めることはできません。

広義の戒名は「院号」「道号」「戒名」「位号(居士・大姉)」で構成されていることを差しますが、狭義だと道号の次につける2文字になります。

道号のすぐ下二字のみが戒名です。